東京高等裁判所 昭和26年(う)1322号 判決
原判決冐頭の裁判を受ける者の表示は、論旨摘録の通りであることを認めることができるが、刑事訴訟規則第五十六条第一項は裁判を受ける者が法人であるときは、その名称及び事務所を記載しなければならないと規定し、所論のようにその法人の代表者を明記すべき旨を規定していないのであるから、原判決が冐頭に、被告人福寿食品工業株式会社と表示し代表者名を表示していなくても、これを所論のように違法であるということはできないし、又、原判決冐頭の被告人等三名の本籍、住居の表示を見れば、被告人山川益美の表示は、同被告人が個人として表示されているもので、被告会社代表者として表示されていないことを知るに難くはないから、被告人山川益美の表示が遺脱していることにはならないのである。次に、被告会社は、その代表者である被告人山川益美、常務取締役である従業者被告人大野晴二郞等の原判示第一、第二の物価統制令違反行為が、被告会社の業務に関してなされたものであることに依り、物価統制令第四十条に基く刑責を問われたものであり、しかも、原判決中には、被告人山川、同大野の右物価統制令違反の行為が被告会社の業務に関してなされたものである旨の判示があることを認めることができるのであるから、被告会社についての罪となるべき事実の判示は、これを以て足り所論のような違法はない。
それ故論旨は理由がない。